画像認識・物体検出の為の画像前処理
【No.3】モルフォロジー変換
1. モルフォロジー変換とは
モルフォロジー変換とは、「膨張・収縮等の基本的処理、またはそれらを組み合わせた処理の総称のこと」です。
まず「膨張」と「収縮」とは何かについてですが、
「膨張」とは、その名の通り、画素を膨張(線などを太く)させる処理のことです。
「収縮」とは「膨張」の逆で、画素値を収縮(線などを細く)させる処理のことです。
図1 膨張処理
図2 収縮処理
この二つの処理を組み合わせて、ノイズを除去したり、画像内のオブジェクトの輪郭検出を行ったりします。
2. オープニング処理
オープニング処理は、収縮をn回実施した後、膨張をn回実施する処理です。小さく白いノイズ除去に効果的です。
nが大きいほどより強く作用しますが、その分元画像から物体の形が変化してしまうので注意が必要です。
図3 オープニング処理
3. クロージング処理
クロージング処理は、膨張をn回実施した後、収縮をn回実施する処理です。小さく黒いノイズ除去に効果的です。
nが大きいほどより強く作用しますが、その分元画像から物体の形が変化してしまうので注意が必要です。
図4 クロージング処理
4. モルフォロジー勾配処理
モルフォロジー勾配は、膨張した画像と収縮した画像の差分を取ることで、物体の輪郭を得る処理です。
図5 モルフォロジー勾配処理
5. トップハット処理
トップハット処理は、元画像とオープニングした画像の差を取る処理です。明るい部分の抽出に有効です。
図6 トップハット処理
6. ブラックハットハット処理
ブラックハット処理は、元画像とクロージングした画像の差を取る処理です。暗い部分の抽出に有効です。
図7 ブラックハット処理
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