画像認識・物体検出の為の画像前処理
【No.2】鮮鋭化とエッジ検出

1. 鮮鋭化とは

画像の鮮鋭化とは、一言で「画像をはっきりさせること」と言えます。平滑化とは真逆ですね。
画像をはっきりさせるということは、具体的には画像の画素値の変化を大きくしてあげることといえます。 画像をはっきりさせることで、主に不明瞭な輪郭の明確化に有効に作用します。

図1 隣接する画素値同士の差

図1において、画素Aと画素Bの画素値はそれぞれ221、234で、差の絶対値は13です。
画像をはっきりさせる為に、このCの値をなるべく大きくすれば良いと言うことになります。
平滑化とは真逆の処理になります。

次に、鮮鋭化でよく使用されるフィルタ処理をみていきます。

2. 鮮鋭化フィルタ

鮮鋭化するためのフィルタということで、文字通り鮮鋭化フィルタと呼ばれます。 鮮鋭化フィルタは、以下の様な係数のカーネルを使用する処理です。

図2 鮮鋭化フィルタ
図3 鮮鋭化フィルタの適応例

上記フィルタを適応することによって、各画素値の差が大きくなり、濃淡変化が強調されます。その結果、画像がより鮮鋭化されます。

3. エッジ検出とは

画素値が変化している部分をエッジと呼びます。
元画像からエッジの部分のみを抽出する処理をエッジ検出と呼びます。

どの様にエッジを検出するのでしょうか。
エッジとは画素値が変化している部分なので、変化している箇所を見つけることができれば、エッジを抽出できそうです。

では、具体的に画素値が変化している箇所を、どの様に見つけるのでしょうか。
エッジ検出では、1次微分・2次微分を使います。

微分とは、ざっくり言うと「xがほんの少し増加した時に、f(x)がどのように変化するか」を示すことです。
詳しい数的ロジックは省略しますが、画像に微分をすると「画素値がどのくらい変化しているか」がわかります。

難しそうなことをいっていますが、処理自体は、鮮鋭化処理と変わりません。エッジ抽出用のカーネルを使用して、畳み込み演算を行っていきます。

以下に、代表的なエッジ処理をあげます。

4. ソーベルフィルタ

ソーベルフィルタは、縦方向と横方向のそれぞれに対して、エッジを検出します。ソーベルフィルタは1次微分を用いたフィルタです。
縦方向と横方向の2種類存在します。

図4 ソーベルフィルタ
図5 ソーベルフィルタの適応例

5. ラプラシアンフィルタ

ラプラシアンフィルタは、2次微分を用いたフィルタです。ざっくりと「特に画素値の変化の度合いが大きい部分を抽出できる」という理解でOKです。
4近傍と8近傍の2種類存在します。

図6 ラプラシアンフィルタ
図7 ラプラシアンフィルタ適応例

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